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かんじんや丈乃丞のつぶやき -想像することで思いやりを生む

 

 

 

 

せまい道を運転してたら、

セダンに乗ったおじいちゃんが前からやってくる。

 

すこし脇に寄って道をゆずる。

 

でもおじいちゃんは遠慮なく真ん中を走り

頭を下げるとか、手をあげるとか

挨拶もなく行ってしまう。

 

 

こんなことしょっちゅう。

 

 

最初はめっちゃ腹が立った。

けど今は全然、腹が立たない。

 

道をゆずって車も人間も無事。

事故にならなかったらそれでいい。

 

 

若い頃、彼女に年寄りはマナーがなってない。

もう譲りたくないって愚痴ったことがある。

 

その彼女がこう言ってくれたから。

 

看護師になってわかったことがあるねん。

年を取るということがどういうことか。

 

 

 

髪に白いものが増えて

声がしわがれて

顔もたるむ。

皮膚はシミやイボができて

背中は丸くなるし・・・。

 

 

老いるのは見た目だけじゃないねん。

 

 

若い頃みたいに走れない。

それどころか普通に歩けない。

 

つまづく、ころぶ。

 

 

頭の中も。

思い出せない。考えが浅くなる。

 

 

説明をいっぱいしてもらって

あ、そうかとわかったら、まだえぇほうで

いっぱい言われた分もっとわからへんくなる。

 

 

今までできたことができないと

情けなくなる。

プライドが傷つくし、腹も立つし、

心もふさぎたくなる。

 

 

患者さんたちを見てきて

老いる姿を理解したら

いろんなこと腹が立たなくなったよ。

 

 

 

そのおじいさんも、もしかしたら

車の運転中は

礼儀どころじゃないんかも・・・って

あなたもそう思えると楽かもしれないよ。

 

 

 

おもいやりってこういうことなんやな。

 

 

彼女の話をきいて

ちょっとは彼女のような考え方に近づこうと思ったら

人に優しくなれた気がする。

 

 

 

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